Kompleks Graffiti

音楽、イギリス、哲学等について記していきます。

映画「新世紀、パリ・オペラ座」の感想

〜覗き見感覚で楽しむオペラ座の裏側〜

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 渋谷Bunkamuraのル・シネマにて新世紀、パリ・オペラ座を鑑賞してきた。この映画が捉えているのはパリ・オペラ座の舞台裏で、オペラ座であるがゆえにそこで巻き起こる全てのものが「当然」のものとして流れていく日常が描かれている。

 

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 この映画はオペラ座の舞台裏を覗き見するような感覚で、テロやストライキに対応するStephane Lissner総裁、オーディションで選ばれ成長していくロシア人歌手、「モーゼとアロン」や「ニュルンベルクのマイスタージンガー」などに挑む演者、裏方などを写している。ただし写し方は断片的で、それゆえこの映画にはストーリーといったストーリーがない。それはきっとこの映画が誰も主張することのない映画だからだ。この映画では出演者がこちらに語りかけてくることもなく、そしてナレーターが状況を説明してくれることもない。ただオペラ座の日々を写しているだけである。

 ストーリーがないとは言っても、もちろん撮影中に何も巻き起こっていないわけではない。撮影時期にはパリでのテロ(シャルリー・エブド同時多発テロ)が起きているが、この映画ではあくまで多くあるトラブルの中の1つくらいの感覚で捉えられている。この出来事をドラマティックにしようと思えば、いくらでもできると思うが(例えば演者へのインタビューを行う、実際の映像を挟むなど)この映画ではオペラ座総裁の会話から盗み聞きする程度であくまで淡々と写している。

 考えてみれば世界大戦なども乗り越えてここまで存続しているオペラ座にとっては、テロとはいえあくまで数多の困難の一つなのだろう。この映画ではストライキも発生しているがそれもフランスでは日常である。これが意図されているものかはわからないが、この映画のストーリー性の無さはきっと、幾多の困難も乗り越えながらも、現在も存続しており、そしてこれからも存続していかなければならないオペラ座の歴史がなせるものなのだろう。

 ストーリー性と主張のない映画というとマイナスなイメージをもたれるかもしれないがそんなことはなく、主張がないことからこの映画はオペラ座内に序列を与えるような撮り方をしていない。善悪もなく、ただの傍観者として現場をみることができるため、誰かに対してマイナスイメージを持ってしまうことがない。今後も純粋にオペラ座を楽しむことができるような作りになっている。

 そしてこのストーリー性を排除したある意味一歩引いた視点からオペラ座を捉えていることからシュールでコミカルな場面も多くなっている。例えばオペラ「モーゼとアロン」の演出として牛を舞台にあげるのだが、牛の品定めや牛に音楽を聴かせて舞台の耐性をつけさせたりしている。また他にもソーセージの発音(ヴルストwurst)を何回もやり直して、思いっきり感情的に歌い上げているがやはりシュールである。これらのシーンがスパイスとなって飽きることなく映画を鑑賞することができる。

 いかにオペラ座がすごいことをしているか、いかにオペラ座が困難を乗り越えているかをあえて主張することをしなくてもいいのは、この映画のオープニングで総裁が言っていたことを借りれば「当然」のことだからだろう。そんなオペラ座の余裕を感じつつ、オペラ座の裏側を純粋な視点で楽しめる映画である。

2017年買ってよかったもの

 

今週のお題今年買ってよかったもの」ということで、初めてお題を使ってブログを書いてみる。私が2017年買ってよかったものは自転車である。

 

買ったのはこのオレンジが眩しい「Specialized Tarmac SL4 Sport」

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specialized東京にて




 

 なぜ買ったのか

 昨年の冬からランニングを始めて、10kmの大会などにも出場したが、走るだけでは飽きるなと思った。そこで昔は自転車が好きでよく乗っていたから自転車に乗るのも悪くないと考え始めた。最初はマウンテンバイクかと思ったが、普段そんなに山に行くこともないから街を走る方がよいなと思った。そして走ることと自転車を始めれば、あとは泳ぐだけでトライアスロンだな。これは楽しそう。ということで自転車選びが始まった。

 

自転車選びは迷ったがスタッフの方の対応がとてもよかったのでSpecialized東京で買うことに決めた。お店はなかなか洒落ていて、とても入りやすい雰囲気である。

 

当初色は黒がかっこいいと思っていたが、黒の自転車に乗っている人は多いことを知り、オレンジに決定。晴れてるととても輝くカラーリングが美しい。まだ被ったことがないこともうれしい。

 

買ってよかった理由

スペックなどはそこまで詳しくないが、この自転車にはとても満足している。そしてなにより自転車によって自分がとても活動的になったと感じることが買ってよかったと言える本当の理由である。

 確実に自転車を買う前よりも行動範囲広がっており、家でもくもくと作曲をしていることが多かった自分が何かと外出するようになった。自分の好きな道を好きなペースで走れるので楽しい。私の数少ないブログ投稿数の中でも取り扱っているが、荒川サイクリングロードを中心に日々サイクリングに勤しんでいる。以下ブログ参照。

 

kompleks.hatenablog.com

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またスポーツ観戦もするようになった。5月にはトライアスロンの世界選手権を観戦。この日はとにかく雨で寒かったのだが、そんな中横浜の海を泳ぐトライアスリートに感嘆した。

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前から自転車レースに興味はあったが、今年は埼玉クリテリウムを初観戦。写真はTeam Skyを引っ張るクリスフルーム。

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最近はトラックレースも意外と面白いのではと思うようになった。特にマディソン(2人1組で行うレース)が面白い。東京オリンピックは伊豆でトラックレースが行われるから温泉と自転車という極上の組み合わせを堪能したい。

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まとめ

今年は自転車が自分の生活に欠かせないものになった。なかなかここまでいい買い物だったと実感できるものはないので充足感でいっぱいである。できる限りこの自転車に長く乗れるよう、事故と盗難には気をつけたい。

 

 

冷静な自分を持つ

久々の更新です。

 

今回は冷静な自分を持つことの重要性について簡単に考えます。

 

昔ピアノを習っていた頃に先生からよく言われていたことが常に冷静な自分を持てということ。ピアノにおいては、弾くことに没入しすぎると、テンポが揺れたり(個人的には速くなることが多かった)、バランスのとれた和音で弾けなくなったりと弊害がでる。よってつねに冷静な自分が自分の演奏を客観的に捉えることがいい演奏をする上で大切になる。

 

言うは易しでなかなか自分もこの技術が習得できなかった。やはり音楽をやっているとただただ楽しい、気持ちがいいことがあるので自分をコントロールするのがとても難しい。

 

難しいのだがこの視点は音楽のみならず様々なことに取り組む上でとても大事だと思う。例えば仕事のミーティングで、無意識に脱線し、何のために話しているのかがわからない状態になることがある。時間の無駄であるし、何より目的が達成されない場合がある。自分も気をつけなければならないがやはり冷静さを保ちつつ物事を進めなければ思わぬ方向に進みそのまま気づかないことになってしまう。

 

冷静さを失った行動は時に危険なものになる。テロリストなどはその例の一つではないだろうか。(もっとも彼ら自身は自分たちが完全に冷静だと思っているかもしれない。)

 

そういうことから私は仕事や自分がいつもやっていることから離れるということはとても大切なのだと考える。自分の知らない価値観に触れることで、自分を冷静さを持って俯瞰的に自分の今の考え方を捉えることが可能だと思う。

 

良い例かはわからないがスポーツではクロストレーニングというものがある。これは自分のやっている競技ではない競技をやることで、何かに特化しバランスの悪くなった体を矯正することができ、パフォーマンスが向上するのだという。これは身体の例だが、私は思考などにも同じことが言えると思う。

 

自分のバランスの悪くなった思考を、一度そこから離れて冷静にみることでバランスのとれた思考にしていくことが大切なのだと思う。だからあえて自分の好きではなかったことをやってみる、行ったことのなかったところに行ってみるという、ルーティーンから外れた行動を積極的にやっていくことが良いのではないだろうか。

 

今回はここまで。

 

 

 

 

 

イギリス留学記〜「傘をささない」の巻〜

 

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 台風の影響で未明はひどい風雨だったようだ。雨といえばイギリスは雨が多いという話はよくされる。事実かどうかは統計を見ていないのでわかりかねるが、イギリスでの雨にまつわる経験はあるので今回はそれを記そうと思う。

 イギリス人は雨が降ってもなかなか傘をささない。雨の日に街に繰り出しても傘をさしているのはごくわずかである。さしているとしても大半は折りたたみ傘だし、折りたたみでない場合は何故かレースクイーンが使うような巨大なパラソルを使っている。傘をささないと言っても彼らが何も対策をしていないわけではない。日本に比べ、Hoodie(フード付きパーカー)を着ている人が圧倒的に多く、そして実際に雨が降るとフードを使って多少の雨は防いでいる。私はパーカーのフードの用途を留学して初めて知った。それまでは飾りぐらいにしか考えてなかったが(あるいは極端に寒い時にかぶるか)、イギリスでついにその真理を知ったのであった。

 ちなみにイギリス人のみならずヨーロッパ人はあまり傘をささないようだ。自転車のロードレースの解説・実況が雨が降ってきた際に、観客を観て、「ヨーロッパ人が傘をさしているってことはなかなかの雨ですよ!」なんて嬉々として言っているくらいだから事実なのだろう。

 ヨーロッパ人は傘をささないのは事実だが、私は日本との傘使用の違いは雨の質にあると考えている。ヨーロッパの雨は結構優しい。イギリスの話だが、雨の割合では霧雨が非常に多かった。故に多少雨が当たってもそこまで不快には感じず、フードさえ被れば対処できるし、短時間であれば上着がびしょ濡れになることはない。それに比べて日本の雨は粒が大きく当たると気になる。霧雨も少なく、降る時はしっかりと降ることが多く感じる。小さなところではあるがこのようにヨーロッパの自然は人に対してそこまで厳しくない。故に西洋では「知は力なり」というベーコンの思想などが出てくるのかと感じる。つまり自然から知識を得て、支配することが可能だと考えたわけだ。甚大な自然災害などに関してはなかなか自然の法則がを捉えることが難しいため、自然環境が安定した地域ゆえの思想なのかと個人的に推測している。

 日本に帰ってきて、最初はあまり傘をささなかったが、最近はすぐに傘をさしてしまう。そしてフードを被ることも少なくなった。自然環境がライフスタイルに及ぼす影響はかなり大きいようである。

教わることについて

  

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 高校時代個人で英語を習っていた先生から、背中を押すことはできるがやるのは自分だよと言われた。当時はそこまでこの言葉の意味を噛みしめていなかったと思うが、今でもその言葉を覚えているのは、この言葉が真実だからだろう。何かを習得したいと思ったらとにかく自分で動くしかない。

 時折どうやって英語を習得したかを聞かれることがあるが、様々な方法を提示できるとはいえ最終的には何でもよいからやればよいと思っている。何から始めればわからない人でも今の時代何かしらのとっかかりは1人でも探せるはずである。書店に行けば英語学習の本は簡単に手にはいる。ネットで調べれば英語の勉強方法なんて簡単に見つかるだろう。はっきり言えばそれぐらい自分で調べられないのであれば英語の習得なんて無理である。外国語を学ぶということは、常に未知の言葉に触れるわけで、分からなければ自分でどうにかするしかないのだ。英語の学び方すら自分で調べられないで今後どうする。

 教わりたいなら、なぜ教えて欲しいのかをよく考えるべきだ。自分は本が読めるようになりたいのか、作文ができるようになりたいのか、人と話せるようになりたいのか。どうやって英語勉強すれば良いですかという大雑把な質問では教える側も困る。英語の本が読めるようになりたいから簡単な英語で読める本を教えて欲しいといえばこちらも紹介できる。作文の能力をつけたいというのであれば、添削してあげますよとなる。

 そこで教える側ができることは結局背中を押すことだけである。読みやすい本を教えることはできるが代わりに読んで英語力をあげることはできない。自分で読んでもらうことでしか習得できない。添削はしてあげられるが添削する文章を作ってもらわなければならない。まず動くのは教わる側であればあるほどその人は伸びると思う。自分で動いたことによる成果は自分のものである。失敗したとしてもそれも自分の成果である。教えるというのはきっとその成果を最大化する手助けをすることなのではないだろうか。

 自分で動かないで教わりたい人のことを例えるならどこに行きたいのかわからないにも関わらず、道案内をお願いしているようなものである。それはお願いされた側も困る。ここに行きたいから道を教えて欲しい、ここに行きたいから必要なことを教えて欲しいというのが正しい教わり方である。行き先を決めて歩むのは自分であって他人ではない。そして自分で考えてやってみてこそ経験となるのではないのだろうか。まず自分で動くというのは自分も大事にして生活していきたいと思っている。

 

羽田空港サイクリング

 9/9(土)目的地:羽田空港 天候晴天 

9時25分江古田発。今回はパンク修理などの練習を兼ね、携帯空気入れで適正空気圧まで空気を入れる。携帯空気入れの購入後、初の実践。思いの外、空気を入れるのに力がいることが判明。翌日は腕の筋肉痛がひどかった。道路でのパンクを経験する前にこの実践を行えたことは今後へのいい準備になった。

 出発してまずは練馬付近から環七に乗り、南下を開始。ここから大森方面に向かう。環七は交通量は多いが、自転車レーンが整備されている為、走行は意外にも楽である。しかしながら信号の多さに難儀してしまった。車での走行の場合は交差点を立体交差で越えることができるが、この立体交差は基本的に自転車の走行が禁止されているため、必ず交差点を通らなければならない。自転車の速度との相性が悪くほぼ全ての交差点で停止を余儀なくされた。いいトレーニングだと思うしか、やり過ごす方法はないのだろうか。

 ひたすら環七を道なりに進むと大森東の交差点に差し掛かる。右折し国道15号(第一京浜)に沿って走行。そのまま左側に入り131号線へ。そのまま南下し大鳥居で環八に合流するのでここから羽田方向へ左折する。ここまで来ると羽田の地名が目に入ってくるので、だんだんと空港に近づいていることがわかる。途中に大きな建物に目が止まった。ヤマト運輸羽田クロノゲートである。その巨大さとモダンさが目を引く建物である。

 直進して行くと穴守橋という橋があり、そのあたりから羽田空港の全貌が見える。私が羽田を訪れるのは、1年前に中国へ行った時以来のことである。その時は夜だったため、太陽の下で見ることは初めてだ。ゆっくりと走りたかったため歩道を進み始めた。すると向かいから来る人が服を顔に巻いていた。天気が良く遮蔽物がないため直射日光が降り注いでいるとはいえ、大げさだなと怪訝に思ったがすぐにその理由がわかった。少し進むとパチパチと全身にぶつかってくるものが現れた。蚊柱である。最初は一つの蚊柱にぶつかっただけだと思った。しかし歩道は蚊で埋め尽くされていた。ずっと体に当たってくるので自分の体をみると、蚊だらけである。たまらず車道に逃れた。車道は蚊に襲われる心配がなく至極平和である。

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穴守橋からの風景-1

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穴守橋からの風景-2

 羽田空港国際線ターミナルに接近してみた。自転車置き場、あるいは多くの自転車が放置されている場所があったが、空港とはいえ自転車を放置することはしたくなかった。国際線のターミナルに来るとどこかに行きたくなる。とりあえずイギリスのパブに行ってうまいビールを飲みたい。

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国際線ターミナル

 空港の海岸側の方を走行してみる。そこからは多摩川河口を挟んで川崎市が見える。花王の工場のロゴが眩しい。また海の方に目をやれば風の塔が見える。海上にあのような建築物を作ることができる人間は恐ろしい。

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多摩川河口付近 遠くに風の塔が見える

 海の方から着陸して来る飛行機を見ることもできる。そして空港の道路を奥の方まで進むとトンネルに差し掛かる。ここは滑走路の下を走る道路になっている。下り坂になっているので速度に注意しなければならない。トンネル内は暗いのでサイクリングの際はライトも必須である。

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滑走路下のトンネル

 トンネルを抜けるとそこは整備区である。JALの整備工場などがある場所で、土曜日だからなのか、仕事中なのか人は全然いない。飛行機を見に来ている人が数名いたので同じあたりで飛行機を見学したが、見られたのは2機だけであった。

 帰路は全く同じ道を通った。総走行距離は約60km。最終的に膝を痛めてしまったため、しばらく長距離ライドは出来なさそうである。

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イギリス留学記 初めてのライブ

 イギリスでの留学を選んだ理由の1つがイギリス文化への興味であり、中でもイギリスの音楽シーンへの憧れがとても強かった。そんな私が初めてイギリスで観たのはバッド・ルーテナントのライブだった。バッド・ルーテナントとは何ぞやとなる方がおられると思われるため、まずどういうバンドなのかを書きたいが、個人的に好きなバンド2つが登場するため長くなる。

 バッド・ルーテナントはバーナードサムナーと言うギターボーカルによって結成されたバンドなのだが彼を語るには2つのバンド、ジョイ・ディヴィジョンJoy Division)とニューオーダーNew Order)の存在は避けて通れない。ジョイ・ディヴィジョンはイアンカーティス(Vo)、バーナードサムナー(Gt)、ピーターフック(Ba)、スティーブモリス(Dr)によって結成されたマンチェスター出身のバンドで、ポストパンクを代表するバンドである。ポストパンクというのは文字どおりパンクムーブメントから派生した音楽群でこれといった音楽的な分類はなされていないようである。このバンドは2ndアルバム収録を終え、アメリカツアーも決定していたなか、イアンカーティスの自殺で突然幕を閉じる。ジョイ・ディヴィジョンはイギリスではカルト的な人気のあるバンドでドキュメンタリー映画も作られているためぜひご覧になっていただきたい。

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 残されたメンバーはバンドを続けることを決心してニュー・オーダーとして再出発した。積極的にシンセサイザーを用いて作られた曲はイギリス国民の心を捉え、その後の音楽シーンに与えた影響は計り知れない。Blue Mondayのドラムのイントロなどはとても印象的である。また1990年のサッカーW杯の際はWorld In Motionという曲がイングランドの公式応援歌となり、大体の応援歌がひどい曲であるなか、公式応援歌にしては珍しくいい曲だったらしい。

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 ニューオーダーは2007年にピーターフックとバーナードサムナーの仲違いにより活動停止。バッドルーテナントはその後2008年にバーナードとニューオーダーのフィルカニンガム(Gt)によって結成された。

 そして私が行ったライブはバッドルーテナントにニューオーダーのドラマーのスティーブ・モリスも加わっている編成だった。これはジョイデヴィジョンとニューオーダーに影響を受けた身としては絶対見に行かねばということでチケットを手にいれたのであった。ライブはマンチェスターのThe Ritzと言う会場で行われた。歴史あるホールでビートルズも演奏したことがあるとのこと。嬉しいことに当時我が家から10分くらいの距離で学校の通り沿いにある。ああなんたる幸せ。

  会場に入りこれといってやることがないので前の方に行こうとするとすんなり行くことができた。みんなお酒を飲んで特に前の方で見るといったことには執着していないようである。そして比較的年齢層は高めであり、どこか余裕が感じられる。ライブの前からニューオーダーコールが巻き起こっていた。ライブをするのはバッドルーテナントだがイギリス人はこういった細かいことは気にしない。全員ニューオーダーの曲が聴きたいのだ。そして何より私もそうだった。失礼だがバッドルーテナントはいいからニューオーダーの曲が聴きたかった。

 ライブが始まると日本に比べて、あまり人が押してくることもなくみんなとにかく歌うことを楽しんでいる印象だった。そして何かとビールを投げる人が多い。やはりイギリスと日本ではライブの楽しみ方が違うなと感じた。日本は良くも悪くも真面目に観て真面目に盛り上がる。イギリス人はライブに対する熱は少し低いが、各々好き好き楽しんでいる感じがある。演奏する側としては日本の方がやりやすいかもしれないがイギリスの方がリアクションが正直であるため、自分の立ち位置がよくわかるのではないかと思った。

 正直に言うとこのライブは何ともスッキリとしないものだった。客はとにかくニューオーダーやジョイディヴィジョンが聴きたいがバンド側としてはバッドルーテナントとしてやりたいというミスマッチが起きていた。なお私はこの後イギリスで2度バンドと観客のミスマッチを見かけることになるがそれは機会があれば後日、記そう。

 そんな少しもやもやした気持ちとイギリスで初めてライブが観られたという感慨に浸りながら帰路についたイギリス初年の秋であった。