Kompleks Graffiti

自転車、音楽、イギリス、哲学等について記していきます。

演奏とリスク回避

仕事柄トラブルをいかに回避するかを考えなければならない。「なぜあなたはいつもトラブル処理に追われるのか」という林原昭さんの著書を読んで、自分の生活でどのように未然防止などをしているかを考えてみた。すると今までの自分の音楽活動の中で意外とリスク対策を取っていたのだなと気づいた。そんなことから今回は音楽活動上起こりうるトラブルとその対策をまとめてみる。

 

トラブルその1:ギターの弦が切れる

①:本番前に弦を張り直す。張り直したてだと逆に切れる恐れがあるので、少し弾いてなじませておく。

②:これは自分では出来なかったが、プロにもなれば、バックアップのギターを用意しておきギターテクがすぐに持っていくというのが切れてからの対応としては一番の対策。

 

トラブルその2:サンプルの再生が止まってしまう

バンドをやっていたときは1曲丸々のサンプルを垂れ流していたのだが、PCが止まってしまうと全て終わり。実際一度途中で止まったことがあった。

①:止まっても途中からやり直せるようにしておく。少し専門的だが、サンプルを流すのにMain Stageというソフトを使っており、サンプルの再生位置を何個か設定することができた(早送りとかはできなかった)。なので一度止まっても途中からやり直せるという対策。

②:やろうとして出来なかったのだが、本来取るべき対策はラップトップの性能を上げる。処理速度が早ければそもそも止まらないはず(金が必要...)。

 

トラブルその3:暗譜していたが飛んでしまった!

これを対策するのは難しいが、ど緊張している本番は何が起こるかわからない。個人的にはピアノの発表会はこれとの戦い。

①:普段から途中から弾けるようにしておく。常に部分練習を欠かさずにしておけば、途中から弾くという選択肢がある。

②:暗譜なんてしない。プロになる、コンクールに出るとかではなく、発表会などであれば暗譜せずに楽譜を見る方が間違えない可能性が高い。

 

トラブルその4:譜めくりが出来ない

前項の②暗譜なんてしないから生じる別のリスク。長い曲になると譜めくりが必要になるが、譜めくりがうまくいかず、慌てふためいて間違えるパターン。

①:製本する。楽譜を本のまま使うと、厚みがあってうまくめくれないことが多いので、コピーして画用紙に貼るなどして自主製本する。この際譜めくりをしないような製本にするのも未然防止。

②:譜めくり要員を確保する。誰かにめくってもらえるなら人に任せるのがベスト。しかし人選を間違えると、とんでもないところで譜めくりされてしまうかもしれない。

 

こういったように音楽やアートは金銭的、信用のリスクがかからずにこういったトラブルに直面し、それへの対応を学べるのだなとしみじみと感じる。

芸術の可能性について

全盲でも美術館を楽しめる。「空をゆく巨人」(これは名著!)の著者である川内有緒さんの記事で、とても興味深い内容だった。

美術館で鑑賞をする全盲の白鳥さんを取材した記事。読んでいるうちに色々なことに自分の考えが及んだので、まとめてみた。

www.huffingtonpost.jp

 

 

鑑賞を伝えるという表現

他力の鑑賞は面白い。白鳥さんは誰かにアテンドしてもらわないと鑑賞できない。さらに作品がどう伝わるかはアテンドする人にかかっている。仮に同じ展示を見ても同じ鑑賞にはならないだろう。アテンドする側はこの場合作品を解する表現者といってもいいだろう。作品の一部とも言える。アテンドする側は自分が表現しきれていないものは伝えることができない。そのことを深く自覚することになるのではないか。「何と言えばいいからわからないから現物を見てください」とは言えないのだ。そう考えると物事は必死に伝えなければ伝わらないということがよくわかる。普段のコミュニケーションでも何となく察してほしいということがあるが、アテンドする側は一切それが使えない。アーティストが察してくれと言えないのと同様、アテンドする側も察してくれとは言えないのだから、やはり作品の一部になるということだと思う。

 

音楽でも出来るか?そして表現とは?

自分は音楽を作るので音楽でも同じこと、つまり耳が聴こえない人に音楽を伝えることができるのかを考えたが、これが難しい。例えばダンスミュージックのような力強いビートをどうやって表現しようか。言語的には「軽く殴られるような感じ」とでも言えるだろうか。しかし殴られるのは心地よくないだろうななどと考えてしまう。やはり他の芸術作品同様音楽を説明するのも難しい。曲が生まれたバックグラウンドでもなく、その曲のメッセージでもなく、音楽自体をどうやって説明しようか。この場合、単なる情報ではない、表現が求められるのだろう。実際白鳥さんは解説・ガイド・説明ではなくて、作品の印象・感想・雰囲気を求めるらしい(以下リンク参照)

www.ableart.org

前者はあくまで補足であり、本質ではない。誰もがインターネットで作品にすぐに辿りつける時代にはむしろ解説の方が多くの人には必要とされているのかもしれないが、本当の「鑑賞」という意味では作品の印象・感想・雰囲気を自分で表現できることが大切だろう。この自分で印象・感想・雰囲気を表現することが新たな芸術、コミュニケーションにつながっていくことが期待できるのではないだろうか。印象・感想・雰囲気は言語だけの表現に止める必要はなく、視覚情報を音楽で伝える、聴覚情報を視覚で伝えることも考えられる。

そう考えると音楽を伝えられるかという可能性を考えるよりも、実際に伝える試みを通じて音楽とは何か、表現とはなにかと考えることで新しい表現や新しい交流が生まれることの方が有益だろう。

視点を変えれば可能性は広がる。一つのものが別の形で再び現れる。「できない」ということから広がる可能性というものは意外に大きいのかもしれない。できないから依存する。依存するから可能性が広がる。できないからできるように考える。一見マイナスに見えるものがプラスになり得ることを白鳥さんの鑑賞スタイルは教えてくれる。(本人はマイナスだなんて思っていないとは思うが)

 

今後の鑑賞のありかた

芸術鑑賞は過度に厳かになりがちだが、コミュニケーションを取りながら、例えばもっと食事をするみたいに楽しく鑑賞できれば良さそうだ。やっぱり肉はうまいな〜くらいの感じで、やっぱりキュビズムはいいなとか言うのが楽しいのではないか。何だこれ?変わった味するな…くらいの感覚で現代アートに触れれば良い。ちなみに筆者は友達と酒を飲みながら好きな曲を聴いて、この曲はここが良いんだとか話している時が一番楽しい。美術館でも花見のように綺麗な絵を見ながらワイワイ騒ぐのも良いのでは。

インスタレーションの中心で飯を食う」ということを妄想するとなんとも楽しそうだ。

思えば留学中にイギリスの映画館に行った時に、笑えるシーンでみんな声を出して笑っているのに驚いた。日本だと笑えるシーンでもあまり周りに聴こえないように気を遣うのだろうが、イギリス人は思いっきり笑っていた。

もっと感情を出す、伝えるということをこれからの芸術界は目指していくべきなのかもしれない。

 

まだまだ色々考えていることはあるが、また考えがまとまったら書こうと思う。とても思考を刺激してくれる、素晴らしい記事だった。

準備は怠るなよという教訓

奥多摩まで自転車で行ってきた。

昼頃に出て奥多摩駅付近到着が16時くらい。道中渋滞でなかなか進むことが出来ず時間がかかってしまったが、幸い気温がさほど上がらず快適な旅だった。

奥多摩駅にたどり着いたのは17:00。17:18の電車があるので、いそいでパッキングすれば間に合う。早速自転車をひっくり返し、輪行袋を取り出す。エンド金具をつけようとすると、輪行袋に入っていない。

急いでバイクのバッグなどを探すがない。エンド金具なしで輪行できるのだろうか?調べてみるとエンド金具がないと変速機が壊れるらしい。もしくはずっと担ぎながら電車に揺られるか。さすがにずっと担ぐのは無理だ。仕方がないので日が沈みゆく中、ひとまず青梅の自転車屋に向かうことにした。

下り基調だったのでそこまで苦労することはなく青梅に到着。目的の自転車も青梅街道沿いだったので迷うことなくたどり着けた。さてほしいのはエンド金具単体だが、輪行グッズの棚をみても輪行袋はあれど金具はない。念の為店員に確認したがないとのこと。

仕方が
ない。なぜか駐車場で音楽を流しながらウィリーしている少年たちを尻目に別の自転車屋へ。ホームセンターと一体になっているところなのだが、こちらにもエンド金具はない。しかしここはホームセンター。ここで考えた。自分で作ろう。それなりに形になりそうなものは揃えられた。ただしエンド金具の構造を完全に理解しているわけではないので、勘に頼っていた。

さて駅に向かい、輪行の準備を開始。自作エンド金具をさっそく試すが、案の定、エンド金具の構造を理解していなかったので、グラグラと揺れてしまう。これでもいけるかなと思ったがさらに忘れ物に気がつく。輪行の時に担ぐための紐がない。

ということで自走での帰宅を決めた。35kmほどの旅路。夜道はできれば走りたくなかったが仕方がない。

自走で帰るために家系ラーメンで補給。本当は油ものはダメなのだろうが空腹すぎて、食べたいものを食べたい欲求を抑えられない。実際食べると、まったくこってりさを感じることがなくあっという間に完食。

帰路は交通量がすくないことと、下り基調であることに加え、追い風が吹いていたので、体力的にはきつかったが、気持ちよくライドをすることができた。

 

久々にひやひやしたと同時にワクワクした。中秋の名月を眺めながらのサイクリングはなかなか美しいものだった。それは思わぬ収穫でもあった。そして自分は子供の頃からやっていることが変わらないことにも気がついた。音楽をして、自転車に乗っているのは子供の頃から何も変わっていない。結局こうして生きていくのだな。

 

準備は抜かりなく。しかし準備がいいかげんで失敗するのもたまには面白い。

 

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奥多摩湖

 

自作曲を解説する

自分で書いた曲を解説するというなかなか恥ずかしいことだが、曲作りに興味があるという人がいたら、制作のヒントとして頂きたい。

 

今回作ったのはこんな曲。iMovieの作業で音が割れてしまっていることに先ほど気づいた。

www.youtube.com

 

全体的には民族的な雰囲気を持たせた、すこしノスタルジックなクラブミュージック的な作り。

 

・作曲のきっかけ

最初からこのような曲を書こうと意識したわけではなく、マリンバのような音の作成中に出来上がったフレーズを元に膨らませていったもの。民族的な響きが合うと思ったので、コーラスを入れたところ思いのほかはまったので一気に仕上げた。作曲というと全体のイメージを固めてからというものだと思う人もいるかもしれないが、あまり深く考えず気に入ったフレーズを膨らませていくのも一つの手。筆者はよく料理と作曲は似ていると思うのだが、食材が一つあってそれに何を合わせていくかを考えていくような感じ。自作の曲はレシピがあるわけではないので、とにかく素材をいかに使っていくかが大事。

 

・展開のさせ方

前段でコーラスのところまでの話はしたので、そこから先について記す。

ドラムは結構悩んだ。最初はあまり典型的ではないビートを使っていたが、いまいちしっくりきていなかった。4つ打ちのビートはつまらないと思いつつ、ラテン的なパーカッションと重ねたらとても相性がよかったので、今回のビートに収まった。

展開はシンプルで一つ一つ楽器が足されていって、一つの曲を作る典型的なミニマリズムのやり方。コードは変わらないので、好きなメロディを重ねていけば結構厚みが出てくる。そして途中に一つだけ展開を加えた。個人的には少し意表をつきたいので、電子ドラムの音ではなくドラムセットの音をエフェクトをかけてみた。展開が単調なら思い切ってリズムを変えると効果的と思う。

あとは一気に音を消すと、インパクトが出るのと、あまり綺麗な展開を考える必要がないので困ったら一旦切るのもありだと思っている。

 

・機材・シンセ等

使用しているDTMはLogic Pro X。マスタリングにizotopeプラグインを使っている以外は全てLogic標準装備のシンセで作ることができる。

 なおサンプルはNHKクリエイティブライブラリーからダウンロード。クリエイティブライブラリーはぶっ潰さないでください。

 途中の展開が変わるところはLogicのDrummerを使い、DistortionやFlangerのエフェクトをかけています。

 

おまけ

動画はPixabayからいただいております。Timelapseのものを探したら良いものがでてきました。MaciMovieで再生と逆再生を交互にする編集をしています。

Blue Mondayの聴きかた

イギリスはマンチェスターのバンド、ニューオーダーが1983年にリリースしたBlue Monday。この曲の聴きどころを偏愛だけで語りたいと思う。

www.youtube.com

 

00:00~永遠に聴けるバスドラム

ド  ド  ドドドドドドドド  ド  ド  ド  ド

このリズムを聴けばブルーマンデーの9割は聴いたようなもの。昨今のEDMから比べると何とも質素な音だが、この音だからこそリピートに耐えうる。印象的かつうるさくないというのはなかなか難しい。もし全部聴く時間がない時はこのバスドラムだけ聴けば、Blue Mondayを聴いた気分になれるだろう。永遠に耐えうるリズムが素晴らしい。

 

1:18~ うるさいベース

ベース担当のピーター・フックのベースラインが登場。そしてなぜかすぐにいなくなる。何しに出てきたこの音???その後ちょいちょい暇な時(?)に顔を出すベース音。ほとんどがデジタルな音の中でこのベースは少し異質な響きだが、音作りが鬱っぽいので、まさにブルーマンデーという雰囲気を醸し出している。このベース音を聴くと、「嗚呼、ただいまニューオーダー」と言った心地がする。

 

3:26~とりあえず爆発させよう

この曲一番の聴きどころ!あとは惰性である(暴論)。目が回るように左右に振られた音から、ドラムの連打、そこからハイハットが止めに入り、何故か爆発する。強引な歌への繋ぎが感動的だ。いつ聴いても、なんでこんな展開思いついたのか不思議で仕方がない。ニューオーダーの光るセンスがここにある。

 

総論:全員下手くそゆえの素材の美味しさ

この曲というかニューオーダーの魅力は洗練されていないスタイル。おしゃれなフレンチのスープなどではなく。どんな具が入っているかが一目瞭然の田舎の味わいの豚汁の感じ。耳を澄ませばだいたい、なんの音が入っているかすぐにわかる。音を重ねることも最小限なこの曲はある意味で単純な作曲の教科書。

 

ニューオーダーについて色々と語ることはできるが、このBlue Mondayのどこが良いのと聴かれたら、残念ながら、これくらいしか語ることができない。

 

 

阿波踊りの音像

久しぶりの更新。ここ最近は音楽のことを多く考えている。

 

そんな中、昨日高円寺で阿波踊りを観た。

 

初めてだったが、熱狂的な祭りだった。観る側もみんな祭囃子に心を躍らせていた。

 

音に着目すると1つ単純なことに気がついた。音の流れる順番だ。

 

阿波踊りは練り歩きながら演奏と踊りが行われる。当然ながら音は並んでいる順番に聞こえてくる。三味線、笛、太鼓ならば、その順番に大きくなり、その順番に小さくなる。単純だが今まで意識的には感じていなかったことだ。リアルな音作りの際は、音の順番も考えないといけないわけだ。

 

阿波踊りの音を録音していたが、その音は現実を全く捉えていなかった。やはり実際に揺らす空気の量が全然違うわけだから同じものは味わえない。自分で体験することはいつでも一番大切だ。

 

ちなみに徳島出身の妻によると、徳島の阿波踊りの観客は高円寺ほど盛り上がらないとのことだ。来年は現地で。

桜の咲いていないさくら堤公園までサイクリング

先週の日曜日に友人と2人で荒川沿いの桜の具合を見にサイクリングに出かけた。目的地は埼玉県比企郡吉見町のさくら堤公園。

 

待ち合わせは秋ヶ瀬公園。筆者は彩湖の東側、笹目橋のあたりから荒川サイクリングロードに入った。初めて通るルートだったが、未舗装路がストラーデビアンケの様にまさに白く輝いていた。

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荒川Strade Bianche

秋ヶ瀬公園へ向かっていると、強烈な向かい風が吹いてきた。今日のサイクリングはなかなか厳しいものになりそうだ。

 

秋ヶ瀬公園に先着し、相手を待っていると、他にも待ち合わせをしている自転車乗りがいる。なにやら高そうなバイクが並んでおり、肩身が狭い。

 

友人と合流し、早速荒川を上流に向かい走り始める。やはり風が強い。途中水田のところを通るのだが完全に吹きさらしで、車体が風に揺らされる。

 

道中の木々を見ると今日は桜は咲いていないことには間違いなさそうだが、菜の花は土手に美しく咲いている。

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菜の花

昼前にスタートしたので、少し空腹が気になったため、以前から気になっていた榎本牧場に足を伸ばしてみた。

 

サイクルラックには多くの自転車がかけられている。自転車乗りには定番の場所だ。

ここではジェラート飲むヨーグルトをいただいた。どちらも濃厚だ。

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ピスタチオと抹茶のジェラート

榎本牧場を後にし、さらに上流へ向かっていくと風はより一層強く感じてくる。ずっと踏み込んでいるせいか、今までになったことがない靴擦れが起きた。

 

途中心が折れそうな瞬間があったが、なんとかさくら堤公園についた。さくら堤公園にはさくらは咲いていなかった。代わりに一本の桃の木が綺麗に咲いていた。

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さくら堤公園の桃の木

さて帰り道は追い風だ。ぐんぐん進み、もはやダウンヒルの様な調子である。少し元気が出てきたので、荒川を少し離れてうどんやにいくことにした。

 

入間大橋から川越方向に向かい、元祖武蔵野うどん めんこや 本店を訪れた。ここにはサイクルラックがあり、サイクリストフレンドリーである。

 

ここでは肉玉うどんをいただいた。大盛りにしたのだが、自分の想像以上の量だった。麺は食べ応え抜群で、コシが強い。汁は自転車で疲れた体にとても優しい。

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肉玉うどん

向かい風に殺されかけたが、ジェラートとうどんを楽しみ、咲いていない桜の近い開花に想いを馳せながらの充実したサイクリングだった。